「おっ!?」
「一夜だけでも、一回だけでも甘い快楽を知っちゃうと、心より先に身体は覚えちゃうのよ。――匂い、仕草、痛みにさえ、とろとろに濡れちゃうんだから」
生々しい表現に、頬が火照って目線がさ迷ってしまう。
「私が一晩かけて貴方に教えてあげても良いんだけど――直臣って意外と独占欲強いし、他人に触れさせるの許さないと思うのよねえ」
何故か店長まで、グラスの赤ワインを注いで、飲みだしてしまった。
「貴方が、ふらふらとこの店にやって来てもう6年よ。あの時の子供に手を出せる私のモラルのなさも凄いでしょ」
「私にとって店長は、恋愛相談相手の姉とかお母さんみたいだから、えっちとか全然想像できないです」
「――じゃあ、ちゃんと直臣とは想像してあげなさい」



