右肩の蝶、飛んだ。


「あはは。直臣さんらしい」

それはそれで、人としてどうなのかなって思う発言だろうけれど、でも何だか納得できる。
直臣さんは、こんな人なんだよね。


「過去の君に興味無いとか、ちょっと酷いかな。でも、まあ、今は胡蝶は俺の婚約者だから何も問題ない気がしない?」

「問題ないよ、全然。気持ちが楽になりましたし」

にかっと歯を見せて大げさに笑うと、直臣さんもニカっと笑ってくれた。


「見て、森の奥に教会があるね。ちょっと行けば日田川だし、立地もいいし綺麗だしホテルは趣もあるし、こんなところで彼女のドレスを着て貰えたら素敵だね」

彼女のドレス――。

その言葉に、もやもやとした嫌な黒い感情が芽生えそうだったけれど、擬態中の私はきっと綺麗に笑えてるはずだ。


「素敵だと思います。今回のカラードレスは、どれもこのホテルに映える色をしていますし」

私も席を立ち、窓際で教会を眺めた。