「でも、凛子はこれからも俺の大事な姉だし。例え世間で公表できない間柄でも、社員として支えていこうって思ってる。――それと胡蝶との恋愛は切り離していくつもりだよ」
「嫌だ」
「胡蝶」
「もう、擬態して幸せを探す自分は惨めで嫌」
蝶矢が昨日、自分を押し倒そうとして――夢から覚めた。
馬鹿みたいな夢から、蝶が一匹飛んで行く。
「そうか。じゃあ、今度は俺から質問してもいい?」
直臣さんは困ったように笑うと、首に手を当てて、言った。
「君は俺の事、どれぐらい好きだった?」
「――っ」
ど、れぐらい。
どれぐらい。
その言葉に、涙がこみ上げる。何も知らなかった視野の狭い若かったあの頃、私の前に現れた直臣さんは、擬態してでも傍に居たい王子様だった。
違う。直臣さんが悪いわけではない。凛子さんの前で卑屈になってしまう私が悪いんだ。
「嫌だ」
「胡蝶」
「もう、擬態して幸せを探す自分は惨めで嫌」
蝶矢が昨日、自分を押し倒そうとして――夢から覚めた。
馬鹿みたいな夢から、蝶が一匹飛んで行く。
「そうか。じゃあ、今度は俺から質問してもいい?」
直臣さんは困ったように笑うと、首に手を当てて、言った。
「君は俺の事、どれぐらい好きだった?」
「――っ」
ど、れぐらい。
どれぐらい。
その言葉に、涙がこみ上げる。何も知らなかった視野の狭い若かったあの頃、私の前に現れた直臣さんは、擬態してでも傍に居たい王子様だった。
違う。直臣さんが悪いわけではない。凛子さんの前で卑屈になってしまう私が悪いんだ。



