右肩の蝶、飛んだ。


いつまでも来ない珈琲に、クスクスと笑う受付嬢達。

彼女の傲慢な態度は確かに好きになれないけれど、どちらも理解しがたい。



「いいわよねえ。自由な人って。私なんて高校から大学から進学まで親にすっごく干渉されてつまらない人生よう。車やマンション買って貰ってもまだ許せない。貴方みたいに好き勝手して生きてみたかったわ。楽よねえ。羨ましい」

悪意なく、純粋に見下され自然と口が開いてしまった。


「大事にされ過ぎってのも駄目よね。その反動で私、今けっこう遊んでるし。勝手に進んでる婚約者も、まあ見た目は悪くないけど、ここの女将ってえッらそうな古臭い人だし。あの人が姑ポジションとかまじ無理だわ」

大事にされ過ぎてる。

それは、裏を返せばお前は全く大事にされていなくていいわねって意味で。