右肩の蝶、飛んだ。



なるほど。
私は蝶と信じていたけれど、実は街灯に群がる蛾かもしれないのか。

などど二人が一向にぴりぴりした空気の中会話を止めないので現実逃避をしてみた。

「えっとこの人は私のご主人さまで私は放し飼いだけど餌は困っていない蛾ということで。アンタは私とは兄弟だったけど今はクライアントってことで。それ以上つまらない会話は終わって貰っても大丈夫?」

仕事先で悪目立ちしたくないこともあるけれど、二人が険悪なのは二人の考えが擦れ違っているからだと思う。

「店長は、此処まで私を励ましに来てくれたんでしょ? 結婚に前向きじゃない私に」


励まし―ではなく喝に近いけど。

で、蝶矢は挑発されてライバル意識で攻撃してる。


「どうなさいました?」

蝶矢と店長の会話が気になったのか女将の凛子さんまで現れる始末だ。


それなのに店長は余裕で、笑顔を振りまき凛子さんにはちゃんと名刺まで渡していた。