店長と蝶矢が、乾いた笑顔で見つめ合う姿は、どう見てもバチバチと火花が飛ぶ睨みあいにしか見えない。
店長は、保護者として、はたまた大切な友人の為か。
要注意人物の蝶矢へ、大きな釘を打ちにはるばる福岡から此処までやって来たってわけだ。
そうだよね。
土曜日なのに喫茶店が休みっておかしい。
無理に休んで、蝶矢に自分の存在を見せつけてからの先制攻撃だ。
「ずいぶん美崎さんを気にかけているのですね」
蝶矢が言うと、口角を上げて店長は笑う。
「私は、綺麗な蝶が居たら、はたまた気に入った蛾でも良いわ。居たら、――そうねえ。触りたくないかしら。飛んでいる蝶が一番綺麗じゃない?」
「つまり、貴方は身守る保護者なんですね」
「そうよ。でも餌をあげないわけじゃないの。自由に飛んでもいいけどお腹が空いたら死んじゃうもの。食べる食べないも自由だけどね」



