右肩の蝶、飛んだ。



「店長って毒舌過ぎ」

「あのね、貴方って売れ残りの処女よ? 誰かが幸せにしてるって勘違いしてるプリンセスシンドロームよ? 貴方の方が覚悟も何も持ってなさすぎなの。絶対幸せになんてならないからね!」


覚悟って。
「覚悟を決めて結婚するってこと?」


お皿に張り付いたチョココーティングのマシュマロを躍起になって引き剥がそうとしていた私の額に、容赦ないデコピンが飛んでくる。


「イッタ」

「好きな人の前で全部裸になる覚悟」

「……」



「貴方に無いモノは、それ」


額を押さえながら、店長の強い眼差しに身動きが取れなくなる。

そのまま、お色直しした新郎新婦が、一つ一つのテーブルの中央の色がついた水の中に火を灯す。

私たちのテーブルの水は、黄色からピンクへと色が変わって行った。


それでも店長と私は――見つめ合ったまま?

いや、睨まれたままだった。


「裸になれないなら、私が剥いてあげましょうか?」