「あーあ。退屈。ドレスは綺麗なのにね」
店長が大声で言うので周りに聞けないようにチョコでコーティングしたマシュマロを口に押し込んだ。
模擬結婚式が終わり、次は披露宴会場。
ホテルの10階から日田の町並みを展望できる会場は、確かに綺麗だった。
エレベーターも大きいし二台あったし移動の不便さは無いし。
チョコのタワーでスイーツを食べて、ひたすら偽装カップルの結婚式を見るのは、結婚を控えた私にはどうでも良い気がしてくるから、自分のことながら酷いと思った。
「引き出物とかあんたも見てた方がいいんじゃないの」
「え、私って結婚式するの!?」
「知らないわよ。でも、ノーもイエスも言わないんだから、このままずるずる直臣に全部何もかも決まられて、もう今更逃げ出すのも無理ぐらいになってから、――貴方諦めちゃうと思うわよ」
「あー。ぽいぽい」
「結婚を、諦めた結果だなんて馬鹿げてるけどね」



