右肩の蝶、飛んだ。



「でもせっかくの模擬でも結婚式なのに、雨ってついてないわよね」


「なんで店長が来てるの!?」

仕事中だと即座に思う出せた自分の頭の回転の速さに感謝。
小声で怒鳴ると、店長はにっこり笑う。


ごつごつしたブラウンのブーツに、細身のデニムジーンズ、スカーフにべストを着こみ、喋らなければ……今日の新朗役のモデルより格好良いだろう。


「だって、胡蝶が消えたいとか黄昏てたから、不細工な顔を見に来たの」

「不細工で悪かったですね」

「ふふ。ケアもせず、しかも夜更かししたのか――腫れぼったくて想像以上に不細工だわ」

「余計なお世話です」

一人で模擬結婚式へやってきたイケメンだけどオカマ口調の店長――と話をしている私を、スタッフ達がこそこそと話している。
視線が痛くて、慌てて取ってつけた笑顔で、スタッフ達に話しかける。


「すいません。こちら、私の福岡の仕事先でお世話になっている方です。うちのドレスを着ると聞いて見に来たらしくて。突然すいません」