右肩の蝶、飛んだ。


冷たい癖にお節介。
毒を吐く癖に人を良く見ている。

だから、店長に相談しに来る人は結構多いと思う。

今だって店が忙しいって言ってるくせに、こうして電話に付き合ってくれてる。


そんな店長が、一夜だけ溺れた快感の話って―――聞いてはいけないけど気になる。


「店長って絶対女の子とか恋人にならないで適当な扱いしそうだけど、でも人間的には好き」

『……喧嘩売ってるの?』

「売ってないよ。本音本音」

『もうウザいから切るわよ。形成不備のアダルトチルドレンちゃん』


褒めたら褒めたで照れちゃうんだから、店長。

でも、直臣さんの過去は知りたくないし。

蝶矢の過去は大体知っているし。


過去を知りたい店長と、知りたくない直臣さんの違いってなんなんだろうね。

本当に挨拶もなしに電話は切れた。
仕方なく眠れない夜のお伴を求めて、コンビニを探そうと立ち上がる。

湧きあがらない私の活力の源は一体何になるのだろうか。