右肩の蝶、飛んだ。





それから一通り挨拶し、明日の流れの最終確認に同席に流れは掴み、漸く解放された時は空がすっかり真っ暗になっている時だった。


それに星が見えないのは、明日が雨の予定だから――。


最終確認前、ホール担当の方々がバタバタしてたのは午後から急に天気が怪しくなったので濡れないようにと動いていたからだ。

明日――。

雨でも実行されるらしい。

ただ教会内だけで、門から階段を上がって教会へ入るシーンがカットとかなんとか。


「美崎さん、うちのホテルに部屋を用意してます」

まだ仕事があるのか、蝶矢が走って追いかけてきた。
場合によっては凄い台詞だ。


「いえ。駅の近くの安いホテルを取ってますので」

「キャンセルして下さい。是非、うちに」


電話で言っても私が断ると思ってたんだろう。
直前に言ってくるのも腹立たしい。

「おやすみなさい」

「美崎さんっ」

私の黒い腹の中は――まだ美崎じゃねえよ、と悪態をついていた。