右肩の蝶、飛んだ。




あの門が閉まったら、皆鳥籠に閉じ込められるみたいな。


何が楽しいのか理解できなかった。

大体、私は友人居ないし。

直臣さんは家族とは疎遠らしいし。


祝福してくれる人が、店長と直臣さんの仕事関係上呼ばないといけない人とか。

直臣さんのプライベートは良く分からないから向こうが友人大勢呼ぶなら私側が誰も来ないのは不自然だし。



どうしよう。

結婚式、したい理由が浮かんでこない。


「すいませーん! どうですか?」
「あ、えーと微かに聴こえています!」


仕事中だったのを忘れていて、慌てて頭の上で丸を作る。
聴こえてないのに丸もなにもない。


「美崎さん、こちら紹介するよ」

丸のポーズをしたままだった私に、蝶矢は冷静に話しかけてきた。

へらりと笑ったら、向こうも完璧な笑顔で深々とお辞儀してきた。