「続いて矢吹~ 
お前は学年でもトップ

一人だけ満点だったぞー」



とある前期期末考査後。



ひとりひとりがそれぞれ
期待や不安を抱きながら
始まったテスト返却も


終盤に差し掛かり
わずかにクラスがざわつく中 



続いて呼ばれた一人の女生徒の名




「おーい 矢吹~」


『はい』





矢吹留衣。

高校2年生。
成績は常に学年トップ。
テストで満点を逃すことは滅多にない。

至って真面目な“優等生”

おさげに黒縁の眼鏡、
模範的な制服の着こなしぶりからも、


矢吹留衣=優等生 


というイメージが完全に定着しきっていた。