『お、のれぇ…… 実の父に何を……』 私はこの時父上にこう言い返した… 『アズサとユイなんて 父上と母上だと思ったことなど 一度もない!! 実の父なら 娘を殺しはしないわ!!』 ユア以外のひとは どこかしらから 血を流していた。 鉄のような、 トマトを連想する色と血が 床と空(くう)を這う(はう)… ほうっておけばいいものを、 私はこの時、 『自分の命をどうぞ狙ってください』 と言わんばかりの行動に出てしまった。