元姫と元王子の約束





私は
ほんの一瞬だけ動揺したけど、
愚痴も(ぐち)も言われず、
冷たい視線を向けられることのない毎日を
やっと手に入れられる、
そう思ったのに…




────『そうなれば、
こ奴の一番価値があるものは
「血」しか残っておらんであろう?
…捕らえて、魔力を向上するための
玩具以上道具未満の者にしてやる。』





『え、、、、?』


私は動揺が隠しきれず、
間抜けな声を出したのもつかの間、
魔力縮小リングを
元々はめてあった左足にではなく、
右足にもつけられてしまった。




魔力が多すぎる私でも、
普通は罪人を
死罪にするときに、
魔力を全て奪うためのものを
両足につけられたら、
10秒程度の時間、
目が開けられなかった。







その間に
父上が床と私の腕、足を繋ぐ(つなぐ)
魔力でできた鎖を(くさり)
作り上げた。





そして私が
意識を取り戻す────