もちろん、
その場に居合わせた誰もが驚き、
目を見開いた。
そのあと私を
群青の城の者かどうかなどと
噂をしていた頃よりも
遥かに(はるかに)冷たい視線を
投げつけてきた。
────『お前はやはりこの城の者でない。』
と確信した目だった。
────今思えば、
私はその時すごく客観的に
自分を見ていた。
…「怖い」「悲しい」と
普通なら言うであろうところで、
呑気に(のんきに)
『いつもよりも冷たいなぁ。
確信してしまっているなぁ。
母上は私を父上との子だと言っているのに
私は全く容姿が違う、
…ならば母上を疑うべきではないの?
なぜ私を疑うのかしら。』
なんて、呆然(ぼうぜん)とした目で
考えていた。
…母上が父上以外の人と
子供を作ってしまって、
それが私だったと言う考えは
誰にもなかった。
────私は何もしていない。
────私はただ、
生まれてきたらこの姿だった、
それだけ。
────パーティの時はとても親切で、
暖かい笑顔を向けてくれていた人が、
ユアの誕生を見ただけで
私に冷たい視線を送るのは
どうして?


