Sideユリ




あの頃は、両想いになったカナトが
よく遊びに来てくれて、
気配を消した私を探すカナトの気配を
感じとっては
胸を高鳴らせていた。



ナオトにも言い寄られていたけど、
幼なじみであり、
露草の第一王子と言う関係以上には
ならなかった。



ユアが生まれる二週間前くらいだったかな、
…レオンに出会ったのは。


前の時は話す暇(ひま)がなかったけど、
私が外に出させてくれないからと言って、
バレないよう、気配を消してから
やけに高い城壁と
同じくらい高い木の上に、私はいた。