「ん〜知り合いがいないな〜」










「借りられた?」










「ううん。知ってる人いない…」










「じゃ!沢本くんに借りれば?ね?」










「えっなんで…「沢本くん!!」」










葉ちゃんは廊下で話していた沢本くんを呼んだ。









「何かな?」










「ほら、羽留。言ってきな」










背中を押され沢本くんの前へ









「沢本くん…」








沢本くんは驚いていたが一瞬に悲しい顔をした。









「ん?」






でも、彼の声は優しかった。










「美術の教科書貸してくれませんか?」









初めて話すのに、初めて初対面なのに



なんだか…







懐かしくて胸がキュッって締め付けられる