「何よ離して!」


こっちだってお前のてなんて触りたかねーよ!


思わず逃げないように力を入れる。


「財布だよ!ベンチに置いてっただろ!」


「‼︎」


気付いてねーし。


ほんと女って、


「てめーもまぬけだなぁ!自分の持ち物ぐらい自分で管理しろよな!たっく。だから女は嫌いなんだ。」


口が悪いのはしゃーない。


「何よ!日野原 誠!お前なんか大嫌い!私は可愛いっての!ブスじゃねーし!」


財布を渡す。


腕を離すと逃げるように走っていった。


なぜか、俺に、「…ありがと。」といって。