女嫌い × 裏表少女

「…ふ。」


「はぁ⁉︎なに笑ってるの?」


言えって言ったじゃん。


「…あんた、やきもちやいてるだけじゃん?なに?そんなに日野原くんと楽しそうにしてる私が嫌なの?」


「う、うるさい!」


「わかったよ、日野原くんの言ってた性格ブスの意味。」


「…。」


私は、力を振り絞って立ち上がる。


「あんたちのことよ!影でこそこそやって!私と同じぐらい性格悪いわね!それに、自分の手を汚さないために、他人に言うこと聞かせるのやめなよ!」


凛ちゃんだって苦しんでる。


私以上に、苦しんでるんだ!


あんたらなんか…


「ばっかじゃないの!」


私への仕返しは構わない。


けど、凛ちゃんは、凛ちゃんだけには、何もしないで!


「さっきから、黙って聞いてれば!この、安東!」


なんとなく置いてあった、鉄の棒。


カランカランと音お立てて、彼女が棒を振り上げる。


棒は、私に向いていた。


それでもまだ、凛ちゃんは手を伸ばしてくれた。


ありがとう。


だけどもう、間に合う距離じゃないの。


「このっ!安東め!」


「‼︎」