目の前で、手を腰に当てて怒る梨勢を見つめて、思う。


聞いてなかった…、と。


そういう話は、聞くの好きなのに。


寝てたのかな…?


はあ、とまたため息を漏らす。


「ま、とりあえず楽しもーよ!一緒回ろうね?"王子様"も、来るみたいだし」


……げっ。



来るのーーーーーーー!?


そう言って、嬉しそうににやりと微笑む梨勢をよそに、私は、一人、また落胆した。