「結月 李雨先輩。この学校1モテる人なのよ〜!!あひゃあ〜っ、イケメン!」


そう言って、隣で目をハートにさせている梨勢に少し苦笑を漏らすと、私はまた王子様と、呼ばれる李雨先輩を見つめた。


……モテる人は、困るんだろうなあ〜。


私は、李雨先輩の表情を見てそう思った。

こっちから見ると、軽く舌打ちしているようにも見える、不機嫌な顔。


モテて嬉しくないのかな?


可愛い子たちに、囲まれて嬉しくないのかな?

そんな風に、疑問にも思った。


「なんでなんだろ…。うーん」