「それにしても、やっぱり王子様だよね〜!!李雨先輩っ!」

「え?王子様?」


”王子様”というワードに反応した私は、梨勢の視線に合わせ、その人を探す。




……_____あ、あの人か。


その姿は、一目見ただけでわかってしまった。


校門の桜の木の下、
その人はいた。



たくさんの女子に囲まれ、キャーキャー叫ばれている。



少し癖のある茶髪と、二重のキリッとした瞳。



そして、180センチ程あるだろう身長と、馬鹿みたいに小さい頭。


……確かに、王子様だ。