意地悪王子と仮契約!?



【杉崎 心菜side】


「李雨先輩……っ!」

「……心菜?」


久しぶりに聴く、李雨先輩の呼ぶわたしの名前。


優しくて、暖かい。


「李雨先輩…っ。」


気づけば、わたしの目からはたくさんの涙が溢れていた。


「李雨、私出るわね。」


そんな声がし、視線をそちらにやる。


……七瀬さんだ。


目が赤く染まり、泣いたのが一目瞭然だった。


七瀬さんは、わたしに頭を下げると、静かに病室を出て行った。