「失礼しま〜す…」

職員室のドアを開けて、軽く一礼する。

やっと、ついた……。

そんな気持ちも含めながら。


私は、キョロキョロとあたりを見回す。


……酢駒センセー、どこにいるんだろ?


そう思っていた時だった。



「ここよ〜〜!杉崎さーん」


そう言って優しく笑う、酢駒先生。


「あっ。ははは……」


そんな酢駒先生に、気づいてすぐ、笑顔を作る16の私。

私って、大人〜。

そう思いながら、ゆっくりと前へ足を進めて、先生の元へ近づく。


「えっと、じゃあコレ運んでもらえる?ちっちゃい体で、大変だと思うけどっ」


……くっ。

酢駒センセーめ。


超、嫌味言ってきやがって〜〜!!


この先生、酢駒先生は、若い女の先生。


そのせいか、この先生は男子生徒に人気がある。


だから、きっと調子に乗ってるんだろう。