意地悪王子と仮契約!?



「そ、そう、ですよね。あはは…。すみません。」

私は、引きつった顔を先輩から隠すかのように、後ろにすぐさま振り返った。

「失礼しました。では。」

私は、先輩の顔を見ないまま、そう伝えた。


……ガラガラ


そんな音を立て、ドアを開く。


「…ムシあつ。」


廊下に踏み出した途端、包み込まれるムシムシとした風。


「う…っ、うぅ……ぐぁ……っ」


それとともに、どんどん溢れ出す涙に、私は、抵抗できなかった。