意地悪王子と仮契約!?



彼女よ……?」



……かの、じょ?


グルグルと回る思考の中で、俺はフと、思い出した。


確かに、確かにいた。


とても好きな女が。

大切な女が。


……それは、コイツ。


だったか……?

そんな風に、少し戸惑った。


でも、彼女の……七瀬のその優しそうな笑みに、コイツ彼女だったんだと、俺はそう、思った。


俺は、七瀬をグイッと胸元に引き寄せると、


「悪かったな。」


と静かに、呟いた。


「いいの、いいのよ李雨。愛してる。」


そう言って、ポロポロと涙を流す七瀬の頭を優しく撫でながら、俺は、またゆっくり目を閉じた。