永遠に君だけを

自分の席…だった場所へ向かい、机の中から忘れ物を取り出した。
ガラリとした教室を見渡し、なんだか少し悲しくなってしまった。
ほとんど全員が同じ中学校に行くけど、私立中学校にいく子も勿論いる。
なかなか会えなくなってしまう人がいるのは、悲しい。
中学校に上がれば他校からももちろん人が来るわけで、今までとは全然違う生活になるのが不安なんだ。
「やばっ、早く戻らなきゃ」
友達を待たせていたことをすっかり忘れてた。
急いで戻ろうと走って教室を出ようとしたその時。
「きゃっ」
「うわっ」
人にぶつかってしまった。
「あのっ、ごめんなさいっ」
「…あ、はい。大丈夫ですか??」
「はいっ、全然大丈夫………です…」
あれ、この子どっかで見たことあるような…
「そうですか。ご卒業おめでとうごさいます。それでは」
そう言って来た道を戻っていく男の子の背中を見ていた。
「だから早く戻らなきゃって!!」