永遠に君だけを

うるうるした瞳で私を見る男の子は、息を呑むほど可愛くて、綺麗な顔立ちをしていた。
「トイレ……どこぉ??」
かすれた声で、でもしっかりと質問してくれた男の子に、トイレの場所を教えると「ありがとぉ!お姉ちゃん!」そう笑顔で言ってくれた。

それからの学校生活では、男の子とは全く会話を交わすこともなく、いつからか、その子のことも忘れていた。
きっと、男の子も私のことを忘れているだろう。そう思ったんだ。

そして、私の卒業式の時。
在校生代表として卒業式に出席する一つ下の5年生。
私が男の子を思い出したのは、卒業式後だった。
「ごめんごめん!!ちょっと忘れ物したから取りに行ってくるね??」
「もー、しっかりしてよねっ。待ってるから、早くしてよ??」
「わかってるってー!!」
友達にそう告げた私は、急いで教室へと戻った。