部室から出た後、陸上部員はアップを始めた。グラウンドの周りを一周する。
その間、美園はグラウンドの隅のベンチに座ってノートに記録を取り今日の練習のメニューを考えていた。
美園が陸上部に入って早くも二ヶ月が経っていた。三年生が引退をして、二年生と自分だけになったが、殆どのことを今いる陸上部のメンバーだけで管理できるようになった。
たったひとりのマネージャーなだけあって、やることもたくさんあるがこうやってベンチに座って陸上部の部員が活動している様子を眺めているのが一番楽しく、つらかった。
一通りメニューを考え、他の部活を見つめボーッとしていると、アップを終えた部員達が目の前で準備体操を始めた。
「いーっち、にーっ、さーんっ、し」陸上部の声が大きなグラウンドに広がり、波を描きながら響いた。
ストレッチを始めたタイミングで美園は部長である笹子に今日の練習メニューを見せに行った。
笹子はメニューを受け取りサッと目を通すなり「オッケー」と言って返した。美園のメニューに間違いなどないと笹子は信じているので、それ程厳しくチェックはしない。
それから、ドリル、アップとスムーズに練習は進む。一段落ついたので、部員は水分補給をしにベンチに集まった。
美園はあらかじめ集めておいた水筒を部員に渡していった。それぞれ笑顔で受け取っていく。
休憩中、純は狂ったように歌を歌っていた。最近流行りのポップスではなく、何年も前のロックを。
美園の悩みはそんな純の歌声を聞いた同級生にお前の部活に騒がしいの1人いるなと言われることだった。
なので、毎日注意をするのだが、その激しさは増すばかりで止まった試しがなかった。それでも今日も注意しなければならない。
「純先輩」
「おう」
「静かにしてくれませんか」
「……わかった」
はぁ、今日もだめか。向きを変えマネージャーの仕事を再会しようと……ん?わかった……。今、分かったって言わなかったか。いつもは嫌という純先輩が。
突然の非日常に美園の頭は混乱した。振り返ると純は普段では有り得ない落ち着きっぷりを見せていた。
美園の混乱に気づいた茂木が純の様子の訳を教えてくれた。
「あいつ、どーやら」
その間、美園はグラウンドの隅のベンチに座ってノートに記録を取り今日の練習のメニューを考えていた。
美園が陸上部に入って早くも二ヶ月が経っていた。三年生が引退をして、二年生と自分だけになったが、殆どのことを今いる陸上部のメンバーだけで管理できるようになった。
たったひとりのマネージャーなだけあって、やることもたくさんあるがこうやってベンチに座って陸上部の部員が活動している様子を眺めているのが一番楽しく、つらかった。
一通りメニューを考え、他の部活を見つめボーッとしていると、アップを終えた部員達が目の前で準備体操を始めた。
「いーっち、にーっ、さーんっ、し」陸上部の声が大きなグラウンドに広がり、波を描きながら響いた。
ストレッチを始めたタイミングで美園は部長である笹子に今日の練習メニューを見せに行った。
笹子はメニューを受け取りサッと目を通すなり「オッケー」と言って返した。美園のメニューに間違いなどないと笹子は信じているので、それ程厳しくチェックはしない。
それから、ドリル、アップとスムーズに練習は進む。一段落ついたので、部員は水分補給をしにベンチに集まった。
美園はあらかじめ集めておいた水筒を部員に渡していった。それぞれ笑顔で受け取っていく。
休憩中、純は狂ったように歌を歌っていた。最近流行りのポップスではなく、何年も前のロックを。
美園の悩みはそんな純の歌声を聞いた同級生にお前の部活に騒がしいの1人いるなと言われることだった。
なので、毎日注意をするのだが、その激しさは増すばかりで止まった試しがなかった。それでも今日も注意しなければならない。
「純先輩」
「おう」
「静かにしてくれませんか」
「……わかった」
はぁ、今日もだめか。向きを変えマネージャーの仕事を再会しようと……ん?わかった……。今、分かったって言わなかったか。いつもは嫌という純先輩が。
突然の非日常に美園の頭は混乱した。振り返ると純は普段では有り得ない落ち着きっぷりを見せていた。
美園の混乱に気づいた茂木が純の様子の訳を教えてくれた。
「あいつ、どーやら」

