The universe privateer

その時だった。

「兄さんから離れろ」

そんな声に振り向いたのは、ウラヌスだけでなくジュデッカもだった。

…一人の青年が立っていた。

長い黒髪を後ろで束ねたあの青年…確か…。

「ウラヌスの弟でしたね…まだ生きていたんですか?」

「マーズ…!」

息絶え絶えに、這い蹲ったままのウラヌスが叫ぶ。

「馬鹿野郎…何しに来たっ…お前みたいな下級戦士が来て何が出来る…っ…早く逃げろっ…殺されるぞっ…コイツは化け物だっ…!」

「化け物とは失礼ですね」

ウラヌスの背中を、ジュデッカはもう一度踏み付けた。

「うぁああぁあぁぁっ!」

呻くウラヌス。

「見ての通り貴方のお兄さんは最早虫の息ですが…どうします?貴方も兄弟仲良く、踏み躙られてみますか?」