「そんな。」


苦笑いを浮かべ朔弥くんはその話を続けた。


「情けないよ。好きになった子を守れないなんて。悪いが今の話は彩芽に伝えるのはやめてくれないか？彩芽に言えば傷は深まるだけだから。」


私は適当に考えてると思っていた朔弥くんが本当に彩芽を愛してるとわかった。


「わかったよ。秘密にする！」


すると朔弥くんは笑顔になった。


そんなとき後ろから物音がした。


顔をよく見ると…！










「神宮寺（くん）！」


彼は泣きながら言った。


「鴻池。俺が九条先輩のことはどうにかするから！」


そうそう。この神宮寺 龍くんは神宮寺財閥の御曹司なのだ。


「では、朔弥くんと彩芽の恋取り戻すぞ！」


みたいな話になった。


彩芽に秘密ごとを作るのは嫌だけど仕方ない。


でもこのとき私は知らなかったんだ。


彩芽がこの真実を知ることはそんなに遠い日でないことを。