3年生にも、2年生にも、マネージャー希望の女子はいたが、たいていが大和先輩や、ほかの男子部員目当てのため、ちゃんと仕事が出来ないらしい。

そこで、白羽の矢が立ったのが私みたいだ。

一応、中学時代は現役のバスケ部員だった。
同じ中学からの親友·松浦くるみ(マツウラ クルミ)を誘って、男子バスケ部のマネージャーを引き受けた。

大和先輩からの頼みだし、少しでも大和先輩のそばに居られることが嬉しかった。
くるみと一緒に、しっかりとマネージャー業務を果たした。

練習前のドリンクやタイマーの準備。
練習中のドリンク補充や怪我の処置。
練習後のボールやタイマーの片付け。
備品や、ユニホーム·ナンバリングの管理。
大会や練習試合のスコアラーなど。
マネージャーの仕事はたくさんある。

私たちも最初は、"目当ての男子がいるんだろう"くらいに思われていたようだが、しっかりと仕事をこなすうちに、誰もそんな目で見なくなった。
もちろん、今だに女子からのやっかみを受けることはあるが…。

それでも私は、大和先輩のそばで、彼のバスケを見れることが幸せだった。

そんな私と大和先輩の関係が変わったのは、1学期の終業式。

練習後、大和先輩に呼ばれた私は、彼と2人で帰ることになった。
いつもは、兄とくるみも含めた、同じ方向のメンバーで帰っていたのに。