「えっ…?」と私。

「"響くん"って、杉田のことだよね?マジで?」とくるみ。

里菜ちゃんは、頬を紅く染めて頷いた。
美里が説明してくれた。

里菜ちゃんと杉田は、中2のバレンタインに里菜ちゃんから告白して付き合い始めた。
2年のときは同じクラスで、3年になったら違うクラスになってしまったけど、夏休みまでは上手くいっていた。
里菜ちゃんが"おかしい"と思ったのは、2学期になってから。
1つ下の2年生に、転校生がきた。女の子だ。
彼女は、バスケ部のマネージャーになった。
杉田は夏休みで引退していたが、たまに練習を見に行っていたので、その子とも接点はあった。
里菜ちゃんもバスケ部だったため、杉田が部活に顔を出すときは、一緒にに行って、一緒に帰っていた。
それがある日、"用事があるから、先に帰っていい"と言われ、そのまま1人で帰った。それが金曜日のこと。
翌週、学校に行ったら、
"杉田が2年生のマネージャーと付き合っている"と噂を聞いた。
里菜ちゃんも、美里も、そんな噂は信じなかったが、そのマネージャーが里菜ちゃんを呼び出して
「響先輩と別れてください」と、杉田とその子がキスしている写メを見せた。
ショックを受けた里菜ちゃんは、その子に言われるままに、"杉田と別れる"と約束をさせられた。
その子が、その場に杉田を呼び、すぐに別れさせられた。