つくづく、私って椋平の事が好きだ。
好きで好きで、苦しいくらい。
私はこんなに好きで、大好きで、いつだって会いたくて声が聞きたくて仕方ないのに。
椋平はそうじゃないみたい。
本当の両思いってないのかな。
どっちかの思いが偏ってしまうのかな。
そんなの、切ないよ。
同じくらい好きでいてほしい。
そう願うのはいけないこと?
「好きだ―!」
うがー!っと両腕をあげ小声で叫ぶ。
さすがにこんな時間に大声では叫べない。
「変質者かよ」
突然背中に聞いた声にその格好のまま止まる。
聞き覚えのある少し低くて澄んだ声に私はその格好のまま振り向いた。


