クールな溺愛彼氏様⁉︎




無事、ラストまでの仕事を終えカフェを閉めて店を後にした。
真っ暗な帰り道。


帰り、私は椋平のオフィスの前を通る。
あ、もちろん帰り道だからで、わざわざストーカーのようにとおっているわけではないわよ!



見上げると、ぽつぽつといまだに電気がついている場所がある。
椋平の働く場所が何階なのか知らないからわからないや。
知っていても、これだけ高いビルだから数えきれない。



私は携帯を取り出すと椋平にメールを打った。




“終わったよ。今、オフィスの前通ったとこ。もう仕事終わった?お疲れ様”




そう打ち込んで送信する。
会えたりしないかな、なんて淡い期待を抱いてる。




ピロン。
着信を知らせる電子音が鳴る。
私は少し胸を高鳴らせメールを開いた。




“よろしいことで。俺はまだかかりそう”





会えることは、なさそうだ。
シュン、と肩を落としとぼとぼと歩き始めた。