「私からの、差し入れ。椋平、頑張ってるから」 周りに聞こえないようこそっと囁いた。 椋平は私の差し出したコーヒーを見ると小さく微笑む。 あ・・・。 「ありがと」 笑った。 椋平の、貴重な笑顔! 嬉しい! 嬉しすぎる! こんな事なら、毎日だってサービスしちゃう! 「じゃあ、頑張ってね」 怪しまれてもいけないから私はそそくさと持ち場に戻った。 でも、顔は思い切りにやけていたらしい。 「顔、緩んでるわよ」 「えっ」 加奈子に指摘され、頬を両手で包んだ。