クールな溺愛彼氏様⁉︎




名残惜しさを感じながらも、お昼の慌ただしさにバタバタと動き回る。
店内は女の子の声でにぎわっている。


椋平、大丈夫かな?
こんな中で集中できるだろうか。



こんな時くらい、オフィスでゆっくりしてもいいのに。
少しだけ、気遣う思いも出てくる。


あんな風に真剣な椋平を見ると我儘ばっかも言っていられない気になるんだ。




「すいませーん」

「あ、はい!」




呼ばれた席に注文を聞きに向かう。
スーツ姿の女性たちはみんな生き生きして見える。


椋平のオフィスにも、こんな風な働く女性がいるんだろうな。



私はカウンターに戻ると、コーヒーを淹れ始める。
挽きたて淹れたてのコーヒーの香りにうっとりと目を細めた。


出来上がったコーヒーを椋平の席に運ぶ。




「はい」

「・・・?頼んでないけど」




ようやく顔をあげた椋平が私を見た。
やった!
ようやく目があったことに内心で喜ぶ。