「私には・・・、未侑みたいな恋愛は、できないのよ」
「え?どういう事・・・?」
寂しそうに呟く友花がどこか思いつめた表情をしている。
私は首をかしげる。
けど、友花はそれ以上なにも言わなかった。
「さ、飲もう!ほら、次なに頼む?」
「え、あ、うん。じゃあ・・・、梅酒にしようかなー。ロックで!」
「じゃあ私は、赤ワイン!」
そうして、私たちは時間まで存分に飲み明かした。
一通り飲んで食べつくした私たちは、居酒屋を後にする。
「ほら、王子のお出ましだよ」
「え?」
背中を押されたたらを踏む。
顔をあげ前を見ると、路上に止めた車の前に立っている椋平の姿。
「え!?椋平?」
なんでここに・・・。
友花を振り向くと、悪戯っぽい笑顔を浮かべていた。


