逃げる私の舌を絡めとり、深く深く誘っていく口づけ。
私の口からは甘い吐息が漏れる。
恥ずかしくて身じろいだ私の両手を椋平は手で壁に縫い付けた。
荒々しい口づけに、必然と体が熱を帯びていく。
腰が砕けそうになり、ずり落ちた腰を椋平が片手で支えた。
そして離された唇。
私は火照った顔で椋平を見上げた。
「・・・っ」
椋平は不機嫌そうな顔で、私の口元を拭う。
「俺の気持ちくらい、一緒にいたらわかるだろ」
「え・・・?」
「どうでもいい奴を、いつまでも側におくわけねぇだろ」
口元を拭いながら乱暴にそう言い捨てる。
それって・・・。
「私の事、好きってこと・・・?」
思わず、そう聞いていた。


