クールな溺愛彼氏様⁉︎




「本当に、ただそれだけ。たった一言誰にでも言ってるような挨拶を向けられただけ」

「・・・っ」

「でも、それが忘れられなくて。次の日も、カフェに行った。・・・お前は、外にはいなくて、中で働いてる姿をこっそり見た」



椋平が、そんな事してたなんて。
そんな風に出会ってたなんて、私、知らなかった。

外に出てたってことは、たぶんオープン前で、掃除をしていたんだと思うけど。
確かに、そばを通った人には挨拶をするようにしている。

それは、当たり前にしてたことで、特別なことではなかった。

でも、椋平には特別に思えてたの?
私の、何気ない挨拶が・・・。
椋平の心に響いてたんだ。




「そしたら、そこに友花の姿を見つけて。・・・あいつを問い詰めたら友だちだって言うから。・・・聞いたんだよ。お前の好きなものとか、興味があるものとか」

「そうなん・・・だ・・・って、え?」

「そうだよ。・・・飯塚六郎も、俺が好きなわけじゃなくて。お前が好きって聞いたから。・・・きっかけになればって思って本屋で買って・・・」

「う、ウソ・・・」

「面白いくらいに、お前が食いついて・・・」




そ、そうだったんだ・・・。
裏ではそんなことが。