「未侑、顔あげろ」
「え?」
「空、綺麗だから」
俯いてしまった私に、椋平が声をかける。
その声に顔をあげれば、空は青く澄んで広がっていた。
「な?」
「うん」
椋平は、気づいてくれたんだ。
私が、怖くなったこと。
「せっかくだから、未侑のカフェに食べに行こうか」
「え?蕎麦は?」
「蕎麦は夜でもいいだろ?そもそも、引越し蕎麦って、未侑はもう前に引っ越してきてんのに」
「そうだね」
椋平と手を繋いで歩く。
もう、なにも怖くない。
そう思えた。
怖がらなくてもいいんだ。
隣に椋平がいる時は、安心していたらいい。


