意識も、少しずつ覚醒していく。
すると、なにが起きたのか、次第に思い出していった。
「あ・・・」
ガクガクと震える身体。
そうだ、私・・・。
「未侑っ」
「・・・や・・・っ」
怯えた私の肩を、椋平が優しく抑えた。
大丈夫だよって、優しく撫でてくれる。
それだけで、少しだけ安心できた。
「犯人は、捕まったから。大丈夫。もう、心配ない」
「・・・あ・・・・」
「襲われてたのが未侑だって気づいて、生きた心地がしなかった・・・」
椋平の手が震えてた。
あの時、私を呼んでくれたのは椋平だったんだ。
椋平の、声だったんだね。
「警察もちょうど見回ってくれてたみたいで、すぐ駆けつけてくれたんだ」
店長が、付け足すように教えてくれた。
そうだったんだ・・・。


