ホテルを見つけた私は、しばらくそこに滞在することに決めた。
ずっと店長と一緒にいたから、久しぶりの一人きりの生活。
少し寂しいし、怖いけど、我慢しなくちゃ。
携帯が震える。
ディスプレイには店長の番号。
「・・・はい」
―未侑!?お前、どういう事だよ!
「すみません、店長。でも、これ以上やっぱり迷惑かけたくないので」
―そんなの気にするなって言っただろ!今、どこにいる?迎えに行く!
「いいです。平気です。ここからなるべく出ないようにするし。犯人が捕まるまでの間だから・・・」
店長は怒ってる。
でも。
決めたことだから。
「巻き込んでしまってごめんなさい。じゃあ」
―未侑!おい、未侑!
プツッと電話を切った。
ごめんなさい。
最初から、巻き込むべきじゃなかった。


