「今回の件、障害事件としても取り扱ってくれるって。犯人の名前とか割り出して捕まえてくれるってよ」
「・・・そっか。よかった」
「でも、安心するのは早いからな?まだ、あいつは逃げてるし。まだ、あいつじゃないっていう可能性も・・・」
わかってる。
こんなことまでしたんだもん、きっと犯人は混乱してる。
逃げているかもしれない。
捕まるまで、安心はできないんだ。
「もう帰っていいみたいだし、帰ろうぜ」
「・・・はい」
「そんな顔すんなって」
「・・・はい」
そんな顔するなと言われても、笑うなんてできないし。
心配かけたくないけれど、なにも言えないし。
椋平を巻き込みたくないって思ってたけど。
椋平だけじゃなかった。
店長のことだって、巻きこんじゃいけなかったんだ。
「未侑、未侑んちでな、彼氏に会ったぞ」
「え・・・」
タクシーの中で、ふと店長がそう言った。
椋平・・・。


