よし。
今日こそは、せめてキスがしたいと思わせてやる!
そんな闘志をメラメラと燃やしながらその後の仕事を乗り切った。
土日は、椋平はカフェには来ない。
それが寂しいし。
やっぱり、椋平はわざわざ私に会いに来ようなんて思わないんだ、と悲しくもなる。
ラストまでの仕事を終え、店を閉めると私は駅までの道を歩く。
そして、いつもとは反対方向の電車に乗り込んだ。
2つ先の駅で降りる。
駅から出るとその先に、見慣れた姿を見つけた。
「椋平!」
走って駆け寄ると椋平はもたれていたガードレールから身体を起こした。
「迎えに来てくれたの?」
「・・・アイスがくいたかったから。ついで」
「でも嬉しい!ありがとう」
笑ってそう言うと、椋平は少し眉を寄せ顔をそむけた。
素っ気ない・・・。
けど、めげない!


