「わかっててなんでやめないんだよ」

「・・・だって、好きなんだもん」

「友花の事を大切にしてくれない奴でもか?」




奥さんとも別れられず、友花ともはっきりさせず。
そんな曖昧な関係を強いているそんな男が、そんなにも好きなのか?




「馬鹿だって、わかってるでも・・・」





気持ちに蓋はできない。
それは、わかってる。


でも、それでも、ふたをしなくちゃいけない時だってあんだろ。




泣き出した友花を、慰める言葉が見つからずに抱きしめた。
本当に、不毛な恋愛しかできない奴。


前の恋愛も同じようなもんだった。
どうして学習しないんだよ。



俺は、小さく息を吐いた。




結局答えも出ないまま、友花と別れた。
そしてそれから四日後、今度は家に尋ねてきた。