「ちょっ、高校生がそんなこと聞かなくていいの!」
「ちぇー」
ふて腐れながらケラケラと離れていく綾乃ちゃん。
私は心を落ち着かせようと深呼吸をする。
言われて気づいた。
私たち、していない。
3か月たつけど、一度もそんな風になったことないのだ。
そういえば、キスだってしていない。
いつも、好きすぎて舞い上がっててそんなこと考える余裕もなかったし。
ましてや自分から行くなんて無理だし。
そもそもすれ違ってばかりの私たちは1日デートができる日なんて数少ないのだ。
というか、もししたいと思えば、どれだけ少しの時間でもキスくらいしてくれるよね!?
やっぱり、やっぱり椋平は私のことなんか・・・。
考えれば考えるほど悪い方にしか考えられない。
やっぱり、好きなのは私の方なのかな。


