どうしてそんないい人なんですか、店長。
働き出した時から、本当に私を気にかけてくれて、優しい店長。
何度私は店長に救われたか知れない。
凹んだ時には励ましてくれて。
時には怒ってもくれて。
本当に、お父さんのような、お兄ちゃんのような存在。
「お兄ちゃんがいたら、こんな感じなんですかね?」
「未侑兄妹いんの?」
「ああ、下に妹が」
「へぇ」
「だから、お兄ちゃんとか憧れてたんですよね。甘えられる存在っていいなぁって」
ちょっとわがまま言っても、仕方ないな、って笑って済ませてくれるような。
現実はそうはいかないのかもしれないけど。
「俺は別に、未侑の兄ちゃんになりたいわけじゃないけど・・・、まぁいいか」
「え?」
「ん?いや、こっちの話。とにかく、ここにいろよ?」
「はい・・。ありがとうございます」
確かに、他に頼れるところなんてないし。
申し訳ないけど、ここにいさせてもらうしかないんだよね。