朝目が覚めて、ふとここはどこだろうと考えた。
ああ、そうだ。
ここは店長の家で、椋平と友花の関係を知ってしまって。


全てが現実で。
真実だ。




「いい匂い・・・」



匂いにつられ、フラフラと外に出る。
大好きなコーヒーの香りだ。




「おお、未侑。おはよう。朝、食うだろ?」

「店長・・・。お腹、好きました」

「ん。ほれ、食え食え」



店長が椅子を引いてくれる。
私はそれに甘え素直に椅子に座る。
目の前に、トーストとベーコンエッグ。
そして、ホットコーヒー。


「アイスの方がよかったか?」

「いえ、ホットコーヒーが好きです」

「だと思った」



夏でもホットコーヒーをよく飲む。
目の前の席に店長も座り、二人で挨拶をして食べ始める。